贈り物は断ってもいい?
受け取れない事情があっても、相手の気持ちを無下にしたくはありません。断る理由を自分の都合ではなく、決まりや相手の負担に置くと角が立ちにくくなります。
| 場面 | 対応 | 伝え方の軸 |
|---|---|---|
| 会社の規定で受け取れない | その場で辞退する | 規定を理由にする |
| 金額が高すぎる | 辞退するか一部だけ受け取る | 相手の負担を理由にする |
| 毎年の贈答をやめたい | 段階を踏んでやめる | 今後の負担を理由にする |
| お返しを気にさせたくない | 渡す前に伝えておく | 先回りして言う |
| 喪中などで時期が合わない | 時期をずらしてもらう | 断りではなく延期にする |
| その場で押し問答になりそう | 一度受け取り後日相談 | 場を収めることを優先 |
| 親族間で毎年続いている | 家族と足並みをそろえる | 自分だけ先にやめない |
断ること自体は失礼にあたりません。断る理由を相手の人格や品物に向けないことが要点です。
伝えるときのポイント
・受け取れない理由を先に言う
「ありがとうございます、ただ」と続けると、断られた印象が強く残ります。理由を先に置いてから謝意を述べるほうが、相手も引きやすくなります。
・相手の気持ちは否定しない
断るのは品物であって、気にかけてくれたこと自体ではありません。「お気持ちは嬉しいのですが」を形式でなく実際に伝えます(お礼の伝え方)。
・代わりにできることを示す
食事に誘う、次に会う約束をするといった形にすると、関係を断つ意図ではないことが伝わります。断りだけで終わらせないようにします。
・その場で押し問答にしない
何度も辞退すると、かえって相手に恥をかかせます。引かない相手には一度受け取り、後日あらためて相談する形のほうが収まります。
・目上の相手には柔らかい言い方にする
規定を理由にできる場面なら、それが最も角が立ちません。個人の判断として断ると、相手を否定したように受け取られることがあります(上司へのプレゼントの選び方)。
・書面で伝えるなら短くする
長く書くほど言い訳に見えます。辞退の意思、理由、相手への気遣いの3点にまとめます。
・家族や部署の中で足並みをそろえる
親族間の贈答や職場のグループでは、自分だけ先にやめると他の人がやりにくくなります。周囲がどうしているかを確認してから動きます。
毎年の贈答をやめたいとき
お中元やお歳暮のように続いている贈答は、急にやめると関係を切る意思に見えます。段階を踏むのが通例です。
| 段階 | やり方 | 時期 |
|---|---|---|
| 1段階目 | どちらか一方だけにする | お中元を省き、お歳暮だけ贈る |
| 2段階目 | 金額を下げる | 翌年から品を軽くする |
| 3段階目 | 挨拶状のみに切り替える | 年賀状や暑中見舞いで近況を伝える |
| 相手から届いた場合 | その年はお返しをする | 翌年から段階を進める |
やめる年に一言添えておくと、相手も理由が分からず気に病むことがありません。「今後はお気遣いなく」とだけ書いておけば、細かい事情まで説明する必要はありません。贈答そのものの考え方はお歳暮の選び方と贈り方にまとめています。
お返しを辞退してもらうとき
渡す前に伝えておく
高額な品や、相手が気を遣いそうな場面では、渡す時点で「お返しは気にしないでください」と伝えておきます。受け取ったあとに言われても、相手はすでに用意を考え始めています。文書を添えるなら、短く一行入れておくだけで足ります。
連名で贈る場合は、代表者がまとめて伝えます。人数分のお返しは相手の負担が大きく、返しようがないこともあるためです。返す側の考え方は内祝い・お返しの基本にまとめています。
それでも返礼が届いたときは、素直に受け取ります。辞退を繰り返すと相手の気持ちの置き場がなくなるためです。受け取ったことを早く知らせ、簡単な礼を伝えれば十分で、そこからさらに返す必要はありません(のしの表書きと渡し方の基本)。次の機会に自分から贈る側になったとき、同じように「お返しは不要」と伝えておけば釣り合いが取れます。
